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【資本主義から価値主義へ】お金2.0レビュー【おすすめ名著】

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”いま、資本主義が新たなステージに進もうとしている”

こんにちは、まあちいです。

巷で話題の名著、お金2.0を読んでみましたが、本当に良い本だと感じたのでこの記事で紹介したいと思います。

何が良いかというと、いま世の中で起ころうとしている経済の変革について、

”従来の経済と何が違うのか、なぜ変革が起ころうとしているのか”を詳しく解説しているためです。

 

 −フィンテック、シェアリングエコノミー、ブロックチェーン、トークンエコノミーと いった言葉を聞いたことがあるけれど詳細がわからない方、関心がある方

 −それぞれの技術内容はわかるが、それらがある1つの同じ流れにあることを 知らない方

 

こんな方は是非、お金2.0を読んでみることをおすすめしたいです。

お金2.0レビュー:全体の構成

本著の著者は株式会社メタップスのCEOである佐藤航陽さん。

このメタップスという会社は、人工知能を用いたアプリ収益化のプラットフォームや、独自の電子マネーを用いたオンライン決済サービス、タイムバンクと呼ばれる時間の取引所など、

最新のテクノロジーを活用した事業を展開している凄い企業なんです。

そんな会社のトップが書いた本だけあって、内容の濃いこと濃いこと。

 

お金2.0は5章構成となっており、

1章では佐藤航陽さんがビックデータ解析をしていた中で見えてきた経済システムの仕組みを解説。

2章ではフィンテック2.0とも呼べるテクノロジーの進化により経済の変化の流れを紹介。

3〜5章では今後わたし達の生活がどのように変化していくかを推察しています。

僕が思う本著の素晴らしいところは、ただの経済学者が経済について述べているのではなく、

現代の最先端テクノロジーを活用しているベンチャー企業のCEOが

ビックデータ解析を通じて肌で感じた体験を記している点にあると感じました。

実際に本人が体験した中で見出した経済の普遍的な法則をまとめているので、

これは”生きた経済の話”なのだなと感じられました。

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1章レビュー:お金の正体

この章で学べること

−未来の方向性を来める3つのベクトルとは何か

−資本主義の歴史とお金の位置づけの変化がわかる

−経済システムの仕組みとうまくいく経済システムの共通点5つ(追加2つ)が学べる

−なぜ5つの共通点が満たされると経済がうまくまわるのか知れる

 

お金2.0は全5章の構成ですが、なんと1章だけで全体の4割を占めています。

この章は抽象的なので最初はピンとこないところもありますが、

筆者の経験から経済というものを客観的に説明しているんですね。

この本の主張である「資本主義から価値主義への変換」を理解するには、

この章で現状の資本主義がどういうものであるかを漠然とでも把握しておきましょう。

現代の資本主義ってなんなの?おかねって要はなんなの?といった疑問に対し、

答えの輪郭が見えてくるような感覚です。

僕の場合、1度目はすんなりと入って来なかったのですが、ひとまず漠然とでも把握することが重要です。

もやっとした状態でもいいから読み進めて、

本を全部読み終わって著者の主張を理解した上でもう1度読んでみるのがオススメ。

2章レビュー:テクノロジーが変えるお金のカタチ

この章で学べること

−フィンテック2.0とは何か

−あらゆる仕組みの分散化が起きているという事実

−シェアリングエコノミーとトークンエコノミーについて

−次世代の成功モデル”自立分散”について

 

この章はフィンテックと呼ばれる最新の技術の紹介と、それにより分散化という現象が生じている点を指摘しています。

技術の紹介といっても、ビットコインやフィンテックの技術的な解説をしているわけではありません。

構成としては、1章で話した現代の経済が2章で紹介するテクノロジーの出現により、

3章以降で述べるような経済へと変化しようとしている。

あくまでも従来の資本主義がどう変わるか、

それによってわたしたちの暮らしがどう変わっていくかを理解するために、この章で最新技術の概要を理解しておく必要があるのです。

 

僕なりにざっくりと解説すると、

本著ではフィンテックというものは2つのものがごっちゃになっている点を指摘してます。

そこで、従来の金融システムの延長をフィンテック1.0、仕組みごと変えてしまうものをフィンテック2.0と定義。本著で扱っているのは2.0の方です。

従来の経済や社会は情報をリアルタイムで共有できなかったことを前提とした中央集権化(例えば国家)により秩序を保っていました。

しかし昨今ではテクノロジーの進歩によりスマホが普及し、多くの人がリアルタイムで常時繋がっている状態となったことから、

従来の中央集権が崩れはじめ、分散化が進んでいるとのこと。

2章はここを理解していればよいかと思います。

3章レビュー:価値主義とは

この章で学べること

−価値には3種類ある(①有用性としての価値、②内面的な価値、③社会的な価値)

−資本主義は①の有用性のみを価値として認識し、その他2つを無視

−テクノロジーの進化により②、③をデータとして認識できるようになっている

 

この章では、既存の資本主義が限界を露呈し出したことを指摘しています。

本来はものの価値を運ぶ手段であったお金が、お金自体を増やすことが目的となったため、

実は世の中のお金は溢れかえっており、お金の価値そのものが下がり続けている。

一方、信頼とか時間とか個性といった、資本主義では無価値とされていたものがいま、

相対的に価値を高めています。

これは2章で述べたテクノロジーの進歩のおかげで、信頼や注目、関心など評価の難しかったものが

データ化、見える化することができているためであり、例えばTwitterのフォロワー数など、ソーシャルメディアが例として挙げられます。

つまり、3章ではわたしたちの生活に長年根付いている資本主義というものが少しずつ変化の兆しを見せ、

価値主義という新しい概念へとアップグレードされつつあると、僕なりに解釈しました。

この本は1章の内容だけでも現状の資本主義経済を深堀しており有益ですが、

この3章から5章にかけての、今後の動向を解説している点が良著といわれる所以なのではないでしょうか。

スマートフォンが普及したあたりから自分の中でもやもやとしていた、なんとなく察知していた新たな空気感が、

すっと理解できて晴れたように感じました。

4章レビュー:「お金」から開放される生き方

この章で学べること

−価値主義が普及した世界では、個人の働き方や考え方がどう変わるのか

−何のために働くのか。お金のためではなくなる

 

お金2.0は3章までで全体の80%を占めており、筆者の述べる経済の変化については3章まででほぼ述べられています。

4章は全体の8%程度のページ数しかなく、もっとも短い章ですが内容は重要です。

なぜなら、世の中の経済が価値主義にアップデートされた場合、わたしたちの暮らしや働き方がどう変わるのかが記述されているからです。

すなわち、自分たちにとって最も身近な話であり関心のある話であるといえます。

 

お金の価値がどんどん下がり、もはや生活のためにお金を稼ぐ必要性が低くなるにつれて、

人生に意義を持つこと自体が価値になっていくと著者は主張。

Google社やFacebook社のように、人々のネットワークを強化する、目に見えて世の中の役に立つ仕事が人気となり、

人々はもはやお金のためではなく価値を高めるために働く。

そして価値を提供できる人は会社というものに所属して働く必要性がなくなっていくとの内容です。

4章はまだ訪れていない未来の話なのでもちろん推測でもあり、本当にそのような社会になると断定はできませんが、

個人的にはSNS上のインフルエンサーが活躍している現状を鑑みると、

もはや4章の内容は完全な未来の話ではなくすでに始まっている話であり、

価値主義の流れは確実に進んでいるなと確信をもちました。

金銭的なリターンを優先するほど儲からず、好きなことに熱中して価値を提供できる人が主役となっていく。

独自の価値を提供する枠組み自体を作る競争へと、変化は刻々と進んでいるのです。

5章レビュー:加速する人類の進化

この章で学べること

−さらなる将来、人類はどうなるのか。

−お金とは何なのか。単なる道具である。

 

4章が近い将来のわたしたちの暮らし方という身近な話であるのに対し、

5章は今後の人類の方向性であり、より推測が強い印象。SFのような話もでてきます。

必ずしも5章のような世界になるかはわかりませんが、テクノロジーの進化により

かつてのSFの世界は全くの非現実ではなく、実現可能になりつつあるということだと思います。

描いた世界に違いはあるかもしれませんが、来る世界ではお金はいまほど重要なものではなく、

価値を運ぶ様々なツールの一種に成り下がるだろうということ。

 

重要なのは、そのような未来が来る場合にいま自分たちはどのように振る舞い、

その未来に向かって準備すべきなのか、この本を通じてその点を気づかせてもらえたことではないでしょうか。

僕は本書に強く影響を受けました。自分の感じていた世の中の変化とも一致していると思いました。

これからどのように振る舞っていくべきか、よくよく考えたいと思います。

まだ読んだことのない方は是非。

自分の価値観がアップデートされるチャンスかもしれませんね。

今日はここまで。

まあちいでした。

 

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